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癒しであり、文化であり
─香りで知る日本の心─
稲坂 良弘(香十代表取締役社長)
畑 正高(松栄堂代表取締役社長)
熊谷 道明(東京鳩居堂代表取締役社長)
一本の流木から
稲坂 きょうお集まりの皆様は、時代は違えども京都が発祥ですね。そしていま、銀座という古い伝統を新しい装いでつなぐ街で、香の文化を伝えようと取り組んでいらっしゃる。
畑 わたしはふだん京都の本店におりますが、銀座の店に用があって新幹線で東京へ来て駅におりると、まず海の風があって、ああうらやましいなあと感じます。
熊谷 毎日いると気づきませんが、たしかに風向きによって潮の香りがいたします。
稲坂 日本に香がもたらされたのも海からと記録されていますね。
畑 ええ。「日本書紀」に書かれている推古三年、淡路島に漂着した木を漁師が見つけ、かまどにくべところすばらしい芳香がした。沈香
という香木だったんです。これを宮廷に献上したことが、日本の香文化の始まりですね。 |